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プロセッサとは、CPUとの違いはMPUなども含む装置の総称です。CPU、MPU(マイクロプロセッサ)など処理装置の総称のことをいいます。プロセッサについての技術知識をまとめています。
この記事の目次です。
1. プロセッサとは
2. コンピュータの種類
3. コンピュータの構成
4. プロセッサのアーキテクチャ
5. プロセッサの構造と方式
6. プロセッサの動作原理
8. プロセッサの性能
9. プロセッサの高速化技術
10. 並列処理
プロセッサとは、データを処理する装置のことをいいます。コンピュータでは、CPUやバス制御チップなどの半導体素子のことを言うことが多いです。 また、コンピュータから入出力装置を除いた機能を指す場合もあります。
プロセッサとCPUの違いは意味に含まれる対象の範囲が異なります。 プロセッサはCPUを含む処理装置のすべてをいいます。 CPUはコンピュータの処理装置の中の、中心に位置する処理装置のことをいいます。
プロセッサには、CPUの他にMPUやGPUなどがあります。 GPUはコンピュータゲームに代表されるリアルタイム画像処理に特化した演算装置あるいはプロセッサです。 グラフィックコントローラなどとも呼ばれます。
MPUとCPUはほとんど違いはありません。 MPUはコンピュータにおける演算や制御などの機能を一枚の半導体チップに集積したプロセッサで、CPUとして用いられることが多いです。
コンピュータには、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、スーパコンピュータなどの種類があります。 PCにはデスクトップPC、ノートPCがあり、PC以外にはサーバ、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末ほか)、 汎用コンピュータ、制御用コンピュータ、マイクロコンピュータがあります。
パソコンは、パーソナルコンピューター(英語でPersonal Computer)を略して呼ばれるコンピュータのことをいいます。
よく使われる言葉ですが、明確な定義は無いようです。 言ってみれば、マイクロプロセッサを組み込んで、個人が使用するという意味でメーカがつけた名称でしょう。 もともとは、個人で使用する家庭用のコンピュータであったようですが、現在は、ビジネスにも広く使われています。
コンピュータにはパソコンだけでなくサーバに利用されるものもあります。
ブレードサーバは、CPUやメモリを搭載したボード型のコンピュータを、専用の筐体に複数収納して使うサーバです。
パソコン以外に身近なコンピュータとしてスマートフォンなどの携帯端末が挙げられます。
スマートフォンとは、スマートフォンの略で「Smart」と「Phone」からできた名称です。 モバイル向けオペレーティングシステムを備えた携帯電話の総称で、電話と自由にアプリをインストールして使えます。
スマートフォンの英語は「smartphone]です。Oxfordの辞書で意味を調べると以下になります。
a mobile phone that performs many of the functions of a computer, typically having a touchscreen interface, internet access, and an operating system capable of running downloaded apps.
(コンピュータの多くの機能を実行する携帯電話で、通常はタッチスクリーンインターフェース、インターネットアクセス、およびダウンロードしたアプリを実行することができるオペレーティングシステムを持つ。)
スマートフォンはパソコンと同様のOS(オペレーティングシステム)を搭載したコンピュータです。 意味の説明が示すようにスマートフォンには主に以下の特徴があります。
似たような意味で使われるスマートフォンとiPhoneですが、違いは何でしょうか。
iPhoneはAppleが開発したiOSというOSを搭載したスマートフォンです。 iPhoneはスマートフォンの1つで、スマートフォンはiPhone以外のスマートフォンも含めての総称になります。 対象範囲に違いがあります。
iPhone以外にAndroidといわれるOSを搭載したスマートフォンもあります。
スマートフォンとタブレットの大きな違いは電話機能の有無です。 一般的にタブレットの画面の大きいといった違いもあります。
スマートフォンの種類はOSとキャリア、メーカーにより分かれます。
スマートフォンはOSの種類によって分類されます。 スマートフォンのOSはAndroid OS(アンドロイドオーエス)とiOS(アイオーエス)が主に使用されています。 この他にも、Symbian、BlackBerry、WindowsなどのOSがありますが、現行ではほとんど普及していません。
スマートフォンはキャリアによっても分類されます。 キャリアはドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル、ahamo、ワイモバイル、mineo、UQ mobile、OCN、BIGLOBE、LINE、AEON、LIBMO、J:COM、nuro、IIJmio、エキサイト、LinksMate、QTmobileなどがあります。 ドコモ、au、ソフトバンクが3大キャリアと呼ばれています。
メーカーはiPhoneのAppleやASUS、Google、HUAWEI、LG、MOTOROLA、OPPO、SAMSUNG、京セラ、シャープ、ソニーモバイル、パナソニック、富士通、ZTE、Xiaomi、Rakuten、TCL、Wiko、HTCなどがあります。
以下ではコンピュータの種類に関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。
コンピュータは、入力、記憶、演算、制御、出力の五つの機能・装置に分類されます。これら、コンピューターの五大機能(五大装置)について説明していきます。
コンピュータを構成するハードウェアの機能は、入力機能、記憶機能、演算機能、制御機能、出力機能の五つに大別されます。 また、これらの機能を実現するための装置として、入力装置、記憶装置、演算装置、制御装置、出力装置があります。 コンピュータの5大装置とは、これらの5つの装置のことをいいます。
なお、記憶装置はその働きによって、主記憶装置と補助記憶装置に分けられます。
5大装置を個別に見ていくと次のようになります。
コンピュータにデータやプログラムなどを読み込むための装置です。 入力装置には、キーボードやマウス、文字読取装置、マーク読取装置などがあります。
コンピュータの記憶装置などに記憶されているデータを外部に送り出す装置です。 プリンタや表示装置(ディスプレイ装置)などがあります。
制御装置からの指示や命令に従って、データやプログラムを記憶する装置です。
主記憶装置にある命令を取り出して解読し、処理に必要な指示や命令を他の装置に与え制御を行う装置です。
四則演算などの算術演算や比較演算、論理積や論理和などの論理演算等を行う装置です。
以下ではコンピュータの構成に関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。
プロセッサのアーキテクチャについて見ていきます。
プロセッサのアーキテクチャによって、プロセッサが 1 命令で処理するデータサイズに違いがあります。
また、CPUの方が取り扱えるメモリ空間の論理上の上限にも違いがあります。 たとえば、32ビットCPUと64ビットCPUでは、64ビットCPUの方が取り扱えるメモリ空間の論理上の上限は大きいです。
以下ではプロセッサのアーキテクチャに関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。
プロセッサを理解する上で、プロセッサを構成する制御装置と演算装置の役割、それらを構成する加算器、 レジスタ、デコーダ(命令解読器,復号器)などの役割、プロセッサの能力とシステムの処理能力の関係を理解が必要です。 また、命令実行時のレジスタの動作も理解したいです。
プログラムカウンタは、別名で命令ポインタなどといい、 割込み処理の終了後に、割込みによって中断された処理を割り込まれた場所から再開するために、 割込み発生時にプロセッサが保存するレジスタです。
以下ではプロセッサの構造と方式に関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。
プロセッサの動作原理についてまとめていきます。
AND回路、OR回路、NOT回路などの基本となる論理回路の組合せによって半加算器、全加算器が実現され、演算が行われています。
NAND回路とは、NOT ANDの略で、読み方はナンド、論理積の否定を行う回路になります。NANDとは何かから真理値表、論理式など、NAND回路とは何かの解説をまとめています。
命令の実行手順(命令の取出し、命令部の解読、データの取出し、命令の実行)などプロセッサーにおける命令とアドレッシングについて見ていきます。
コンピュータの処理装置が一つの命令を取り出し実行する流れをマシンサイクルと呼びます。
マシンサイクルは命令取出し段階と命令実行段階に大別され、命令フェッチ→命令の解読→オペランド読出し→命令の実行の順で実行されます。
命令取出し段階は、次に実行する命令を主記憶装置から取り出す段階です。
プログラムカウンタの指すアドレスをもとに、主記憶装置に記憶された命令を1語、命令レジスタに取り出します。
命令を1語取り出すたびに、プログラムカウンタの値を1増加させます。 プルグラムカウンタは常に次に取り出す命令のアドレスを指します。
命令実行段階は、命令レジスタに取り出した命令を実行する段階です。
取り出した命令の命令部は命令解読器(デコーダ)に送られ解読されます。 解読の結果は制御信号に変換され、演算装置などに送られます。
アドレス部は、必要に応じてアドレス変換し、主記憶装置の指定アドレスからデータを取り出します。 データは汎用レジスタなどに記憶されます。
命令を実行します。 演算結果ならば、演算装置によって演算が実行され、その結果で、いくつかのレジスタの内容が更新されます。 また、読み書きの命令の場合、主記憶装置の指定アドレスとデータの転送が行われます。
以下では命令とアドレッシングに関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。
割込みの仕組み、内部割込み、外部割込みに分類される割込みの種類、多重割込み時の処理についてまとめています。
マルチタスクを実現するためには、ある一定の時間間隔ごと、または入出力要求を出したタイミングなどでタスクを切り替えます。 この切り替える制御を割込みといいます。
割込みとは、プログラムの実行中に、何らかの条件によってプログラムの命令実行を強制的に中断し、他のプログラムに制御を移すことです。
割り込みが発生すると、コンピュータの各命令の実行ごとに、コンピュータの実行と非同期の事象が発生したかどうかを調べ、実行中のプログラムより優先順位の高い事象が生じていれば、特定番地の命令に制御を移します。
この場合、現在処理しているプログラムを一時待避させ、割り込んで入ってきたプログラムを実行します。 割り込みの処理が終了すると、待避させたプログラムを回復させ、中断したところから実行を再開します。
なお、ハード・ディスクやLANボードなど、 ハードウェアからの依頼により発生するものを外部割込み(ハードウェア割込み)といい、 ソフトウェアからの依頼により発生するものを内部割込み(ソフトウェア割込み)といいます。
内部割込みは、実行中のプログラムによって行われる割込みです。
内部割込みの種類は大きくわけて2タイプです。
プログラム実行中のエラーにより発生。桁あふれ、存在しない命令コードの実行、ゼロによる除算命令の実行、モード違反、アドレス指定エラー、記憶保護例外、ページ不在、セグメント不在など。
スーパーバイザコール、ページフォールトなど。
外部割込みは、入出力動作完了、タイマ通知、電源異常、各種センサ割込など、 プログラム(CPU)内部以外が原因で発生する割込みのことをいいます。
以下では割込みに関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。
プロセッサの性能は、内部時計の速さや、単位時間に実行できる命令数などで表されます。 プロセッサの性能に関連するクロック周波数、MIPS(Million Instruction Per Second)、CPI(Cycles Per Instruction)などの意味、関係式をまとめています。
プロセッサの代表的な高速化技術の種類、特徴についてまとめています。
パイプライン処理方式とは、命令の実行を「取出し」と「実行」など、命令の処理工程(ステージ)に分け、ある命令のステージと次の命令のステージを並列に行う処理方式です。 パイプライン処理方式は、複数の命令をオーバーラップさせて同時実行可能とすることから、命令パイプラインとも呼ばれます。
例えば、RISCマシンは、ステージ1(IF:命令フェッチ)、ステージ2(ID:命令デコード)、ステージ3(EX:実行)、ステージ4(MEM:メモリアクセス)、ステージ5(WB:レジスタ・ライトバック)の5段階にステージに分割されていて、 これをパイプライン処理にすると表のようなイメージで実行されます。
サイクル1 | サイクル2 | サイクル3 | サイクル4 | サイクル5 | サイクル6 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
命令1 | IF | ID | EX | MEM | WB | ||
命令2 | IF | ID | EX | MEM | WB | ||
命令3 | IF | ID | EX | MEM |
パイプラインを更に細分化することによって、高速化を図る方式です。
複数のパイプラインを用い、同時に複数の命令を実行可能にすることによって高速化を図る方式です。
VLIWとは、Very Long Instruction Wordの略で、 同時に実行可能な複数の命令をまとめて一つの命令として、同時に実行し、プロセッサの実行効率を上げる方式です。
VLIWは、プロセッサの高速化技法の一つとして、同時に実行可能な複数の動作を、 コンパイルの段階でまとめて一つの複合命令とし、高速化を図ります。
CPUの命令セットの中で、 同時に実行しても互いに影響しない複数の命令を組み合わせ、 一つの長い命令語とすることで、 並列実行におけるパイプラインの効率化を図る手法で 命令語を長く取り、一つの命令で複数の機能ユニットを同時に制御することによって高速化を図ります。
処理すべきベクトルの長さがベクトルレジスタより長い場合、ベクトルレジスタ長の組に分割して処理を繰り返す方式です。
その他に以下のような方式があります。
以下ではプロセッサの高速化技術に関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。
代表的な並列処理方式には以下があります。
SIMDとは、読み方はシムド、1つの命令で複数のデータを処理する方式です。SIMDについてまとめています。
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