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システムの評価指標―スループットや稼働率の意味、計算方法など

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システムの性能評価でしようするスループットや信頼性評価で使用する稼働率の計算方法など、システムの評価指標につてまとめています。

目次

このページの目次です。

1. システムの性能特性と評価

2. システムの信頼性特性と評価

もっと知識を広げるための参考

更新履歴

1. システムの性能特性と評価

システムの性能を評価する際の評価項目や指標、処理時間やリソース使用率など性能要件についてみていきます。

システムの性能指標

システムの性能指標について見ていきます。

レスポンスタイム(応答時間)

レスポンスタイム(応答時間)について見ていきます。

クライアントとサーバ間の応答速度の計算

クライアントとサーバ間の応答速度の計算は、以下の式より求めます。

応答時間=クライアント処理時間+サーバ処理時間+送受信時間

送受信時間は以下の式より求めます。

送受信時間=電文長/(回線速度×伝送効率)

計算例

設置場所の異なるクライアントとサーバ間で、距離による遅延は考慮しないものとし、次の条件で通信を行う場合の応答時間は何秒か計算してみます。

〔条件〕
クライアントとサーバ間の回線速度8Mビット/秒
伝送効率60%
電文長上り1Mバイト、下り2Mバイト
クライアントの処理時間送信、受信を合わせて0.4秒
サーバの処理時間送信、受信を合わせて0.4秒
  1. 電文長(ビット単位)=(上り1Mバイト+下り2Mバイト)×8ビット=24Mビット
  2. 回線速度×伝送効率=8Mビット×60%=4.8Mビット
  3. 送受信時間=24Mビット/4.8Mビット=5秒
  4. 応答時間=0.4秒+0.4秒+5秒=5.8秒

よって、クライアントとサーバ間の応答時間は5.8秒となります。

スループット

スループットとは、単位時間当たりのジョブの処理件数のことであり、コンピュータ・システムが一定時間内に処理する仕事量を意味する用語です。

また、コンピュータ・システムの処理能力を測定する評価指標の一つです。 多重プログラミングやスプーリングなどによってスループットを向上することが出来ます。

スループットの計算方法

たとえば、リクエストを何件こなせるかを評価する場合は以下のように計算します。

スループット = リクエスト数 ÷ 所要時間

CPUと磁気ディスクの使用率の計算例

CPUと磁気ディスクの使用率の計算例について見ていきます。

前提条件

CPUと磁気ディスク装置で構成されるシステムで、表に示すジョブA、Bを実行します。 この二つのジョブが実行を終了するまでのCPUの使用率と磁気ディスク装置の使用率を計算します。 なお、ジョブA、Bはシステムの動作開始時点ではいずれも実行可能状態にあり、A、Bの順で実行される。CPU及び磁気ディスク装置は、ともに一つの要求だけを発生順に処理します。 ジョブA、Bとも、CPUの処理を終了した後、磁気ディスク装置の処理を実行します。

単位 秒
ジョブCPUの処理時間磁気ディスク装置の処理時間
A37
B1210
計算例

ジョブA⇒ジョブBを実行する際のCPUと磁気ディスクの使用率は、それぞれジョブA、Bの開始から終了までの全体の時間内にどれだけCPUと磁気ディスクを占有していたかを表します。

CPU⇒磁気ディスクの順、ジョブA⇒ジョブBの順、CPUと磁気ディスクはそれぞれ1要求ずつ処理するとあるので、以下の図のように処理されます。

問17 CPUと磁気ディスクの使用率―平成21年春期応用情報技術者

全体が25秒、CPU使用時間が15秒、磁気ディスク使用時間が17秒となるので、CPU使用率は、15÷25=0.60、ディスク使用率は、17÷25=0.68となります。

システムの性能指標に関連したIPA情報処理試験の過去問

以下ではシステムの性能指標に関連したIPA情報処理試験の過去問とそのの解説をまとめています。

キャパシティプランニング

キャパシティプランニングの目的、考え方、システムに求められる処理の種類、量、処理時間などを検討し、 性能要件からサーバやストレージなどの性能諸元を見積り、 システムの性能を継続的に把握、評価するという手順を理解するのは重要です。 キャパシティプランニングについて見ていきます。

キャパシティプランニングの作業項目

キャパシティプランニングの作業項目と順序は以下になります。

  1. システムの稼働状況から、ハードウェアの性能情報やシステム固有の環境を把握する。
  2. 利用者などに新規業務をヒアリングし、想定される処理件数や処理に要する時間といったシステムに求められる要件を把握する。
  3. システム特性に合わせて、サーバの台数、並列分散処理の実施の有無など、必要なシステム構成の案を検討する。
  4. システムの構成の案について、適切なものかどうかを評価し、必要があれば見直しを行う。

スケールアウト

スケールアウトとは、既存のシステムにサーバを追加導入することによって、システム全体の処理能力を向上させることをいいます。

スケールイン

スケールアウトとは逆にサーバを減らすことをスケールインといいます。

プロビジョニング

プロビジョニングとは、ユーザーや顧客へのサービス提供の仕組みのことをいいます。

シンプロビジョニング

ストレージ技術におけるシンプロビジョニングは、 利用者の要求に対して仮想ボリュームを提供し、物理ディスクは実際の使用量に応じて割り当てることをいいます。 ストレージリソースを仮想化することによる設備投資のコスト削減・運用負荷削減を可能にします。

キャパシティプランニングに関連したIPA情報処理試験の過去問

以下ではキャパシティプランニングに関連したIPA情報処理試験の過去問とそのの解説をまとめています。

2. システムの信頼性特性と評価

RASISや信頼性指標と信頼性計算などシステムの信頼性特性と評価について見ていきます。

RASIS

RASISは可用性や保守性などの5項目の英語の頭文字を並べた用語です。各項目の意味、覚え方などRASISについてまとめています。

詳細

信頼性指標と信頼性計算

MTBF、MTTR、稼働率などシステムの信頼性を評価する際の評価項目とその指標、並列システム、直列システムの稼働率の計算方法など信頼性指標と信頼性計算について見ていきます。

稼働率

稼働率とは、ある期間中にシステムが稼働している率を意味する用語です。

稼働率の計算式

稼働率の計算式は以下です。

稼働率=MTBF/(MTBF-MTTR)

なお、MTBFとMTTRは、稼働率が0.5のときに等しくなります。

MTBF

MTBFは、平均故障間隔です。正常に稼働している平均時間を意味します。

MTBFの計算式

システムの稼働時間をtiとした場合、MTBFの計算式は以下です。

平均故障間隔(MTBF)=1/n・Σti

MTTR

MTTRは、平均修理時間です。故障時に正常稼働するまでにかかる平均時間を意味します。

MTTRの計算式

システムの修理時間をriとした場合、MTTRを表した式は以下です。

平均修理時間(MTTR)=1/n・Σri

複数システムの稼働率の計算方法

例えば、並列につながれた同じ装置の稼働率は1-(1-a)2、直列につながれた装置はa×aで計算されます。

稼働率の計算方法をまとめると次のようになります。

直列の場合の稼働率の計算方法

以下は、直列の場合の稼働率の公式です。

公式1直列接続
公式1 直列接続

たとえば、稼働率0.9の装置を2台直列に接続したシステムの場合は0.9×0.9=0.81になります。 3台直列にした場合は、0.81×0.9=0.729になります。

並列の場合の稼働率の計算方法

以下は、並列の場合の稼働率の公式です。

公式2並列接続
公式2 並列接続

バスタブ曲線

装置のライフサイクルを故障の面からみると、 時間経過によって初期故障期、偶発故障期及び摩耗故障期に分けられる。 最初の初期故障期では、故障率は時間の経過とともに低下する。 やがて安定した状態になり、次の偶発故障期では、故障率は時間の経過に関係なくほぼ一定になる。 最後の摩耗故障期では、故障率は時間の経過とともに増加し、最終的に寿命が尽きる。 このような故障率と時間経過の関係を表したものをバスタブ曲線といいます。

信頼性指標と信頼性計算に関連したIPA情報処理試験の過去問

以下では信頼性指標と信頼性計算に関連したIPA情報処理試験の過去問とそのの解説をまとめています。

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