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仮想化とは―対義語の説明や仮想化ソフトの種類など

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仮想化とは、あたかも複数のコンピュータが同時に稼働しているかのように見せる技術です。仮想化の意味や対義語などの仮想化の簡単な説明、仮想化ソフトの種類についてまとめています。

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目次

このページの目次です。

1. 仮想化とは
2. 仮想化の対義語
3. メリット/ディメリットと活用例
4. 仮想化技術と仮想化基盤
5. 仮想化ソフトとは
6. 仮想化ソフトの種類
7. ホスト型の種類
8. ハイパー型の種類
9. コンテナエンジン型の種類

仮想化に関連したIPA情報処理試験の過去問題
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1. 仮想化とは

仮想化は、1台のマシン上で複数の仮想的なマシンを動作させる技術のことをいいます。 サーバ仮想化(server virtualization)あるいは単に仮想化といいます。 仮想化には、仮想化ソフトウェアが使用されます。

仮想サーバ

仮想サーバという用語も登場してきますが、仮想サーバは仮想化ソフトウェアによって実現された仮想マシンのことをいいます。

2. 仮想化の対義語

仮想化は仮想化環境ともいわれ、対義語としては物理環境が挙げられます。

物理環境とは

仮想化環境の対義語に物理環境と説明しましたが、物理環境とはなんでしょうか。

家電量販店で購入したパソコンのようにハードウェアをそのまま一台の機器として扱うコンピュータを「物理環境」といいます。 仮想環境は「物理環境」にインストールされたソフトウェアにて、仮想的に構成したマシン(機器)を仮想環境といいます。

3. メリット/ディメリットと活用例

仮想化のメリット/ディメリットと活用例についてみていきます。

メリット

仮想化を行うと、1台のマシンで複数のサーバが管理できるようになり、物理的資源の管理にかかる手間が省けます。 また、資源配分を需要に応じて柔軟に配分することができるので、資源の利用率を高くすることができます。

ディメリット

しかし、仮想サーバを動かすためにタスク切替のオーバーヘッドが発生するなど、直接実行するよりも性能が下がります。

仮想化の活用例

仮想化の活用例について上げていきます。

開発環境への活用

本番は物理サーバで稼働していても、多数のチームで開発している、複数のバージョンの保守が必要など開発環境では仮想化して同一サーバに複数の仮想マシンを稼働させて使用することがあります。 このように仮想化を活用することで、既にあるマシンに仮想化ソフトを入れて複数の開発環境を作ることで同じ量のマシンを購入する必要がなくコストを抑えるのに役立ちます。

稼働率が時間帯により異なるシステムへの活用

たとえば、昼の稼働率が高い販売管理サーバと夜間負荷の高いバッチ処理システムを仮想化して同じマシンで複数の環境を稼働させることでリソースの節約を行うということも考えられます。

待機系への活用

稼働系で障害が起きた際に待機系にCPUリソースを割り当てるといった活用方法も考えられます。

4. 仮想化技術と仮想化基盤

仮想化技術と仮想化基盤について補足です。

仮想化技術

仮想化は、あたかも複数のコンピュータが同時に稼働しているかのように見せる技術です。 1台のコンピュータを論理的に分割し、それぞれで独立したOSとアプリケーションソフトを実行させます。 それぞれの仮想的なマシンには別々のOSやアプリケーションソフトを動作させることができます。

仮想化基盤

仮想化基盤とは、基盤を仮想化したものです。 仮想化基盤は、少ない物理サーバー上で、多数の仮想サーバーを稼働させる事により、効率よく運用することができます。 必要に応じて稼働中の仮想サーバーのスペックを増強したり、仮想化基盤自体を拡張し、より多くの仮想サーバーを動作させたり、状況に応じて柔軟かつ容易に拡張することができます。

英語

仮想化基盤の英語は「Virtualization infrastructure」です。

5. 仮想化ソフトとは

仮想化ソフトとは、仮想化の実現のために使用されるソフトウェアの総称です。

仮想化の説明と重なりますが、ソフトウェアによって複数のハードウェアを統合し、自由なスペックでハードウェアを再現できます。 そして限られた数量のCPUやメモリ、ハードディスク、ネットワーク等のリソースを、実際の数量以上のリソースが稼働しているよう見せる論理リソースが利用できます。

6. 仮想化ソフトの種類

仮想化ソフトの種類は大きく、ホスト型、ハイパー型、コンテナエンジン型にわかれ、以下のような製品の種類があります。

ホスト型仮想化ソフト

ホスト型仮想化ソフトは、OS上に仮想ソフトをダウンロードし、仮想化ソフト上に仮想マシンを構築するタイプの仮想化ソフトです。

ハイパー型仮想化ソフト

ハイパー型仮想化ソフトは、物理サーバーのCPUに組み込まれている仮想化技術を利用しており、ハードウェア上で動作して動作にOSがいらない仮想化ソフトです。

コンテナエンジン型仮想化ソフト

コンテナエンジン型仮想化ソフトは、ゲストOSを起動せずに、アプリを起動するタイプの仮想化ソフトです。

7. ホスト型の種類

ホスト型仮想化ソフトは、OS上に仮想ソフトをダウンロードし、仮想化ソフト上に仮想マシンを構築するタイプの仮想化ソフトです。 ホスト型仮想化ソフトには以下のようなソフトがあります。

VirtualBox

VirtualBoxはOracle社の仮想化ソフトです。WindowsとMacで利用できます。

WorkstationPlayer

WorkstationPlayerはVMWare社の仮想化ソフトです。Windowsで利用できます。

8. ハイパー型の種類

ハイパー型仮想化ソフトは、物理サーバーのCPUに組み込まれている仮想化技術を利用しており、ハードウェア上で動作して動作にOSがいらない仮想化ソフトです。 ハイパー型仮想化ソフトには以下のようなソフトがあります。

Hyper-V

Hyper-VはMicrosoft社の仮想化ソフトです。

vSphereHypervisor

vSphereHypervisorはVMWare社の仮想化ソフトです。

KVM

KVMはLinuxの仮想化ソフトです。

9. コンテナエンジン型の種類

コンテナエンジン型仮想化ソフトは、ゲストOSを起動せずに、アプリを起動するタイプの仮想化ソフトです。 コンテナエンジン型仮想化ソフトには以下のようなソフトがあります。

Docker

Dockerは、コンテナ仮想化を用いてアプリケーションを開発・配置・実行するためのオープンソースの仮想化ソフトです。 読み方は「ドッカー」です。

仮想化に関連したIPA情報処理試験の過去問題

以下では仮想化に関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。

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