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信頼性設計―フォールトレトランスなどの手法。システムの設計観点。

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システム障害の影響を最小限に抑えるフォールトトレラントなど、信頼性設計に関する考え方や手法、システムの設計観点についてまとめています。

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目次

このページの目次です。

1. 信頼性設計とは

2. フォールトアボイダンス

3. フォールトトレランス

4. フェールセーフ

5. フェールソフト

6. フールプルーフ

信頼性設計に関連したIPA情報処理試験の過去問題

もっと知識を広げるための参考

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1. 信頼性設計とは

信頼性設計とは、システム障害の影響を最小限に抑えるフォールトトレラントなど、信頼性を向上させるための設計の考え方や手法のことをいいます。

2. フォールトアボイダンス

フォールトアボイダンスとは、システム構成要素に故障しにくいものを選び、システム全体の動作を正常に行うように設計することです。 システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにします。 システムを構成する個々の部品に信頼性の高い部品を使用したり、バグの少ないソフトウェアを開発したりして、信頼性の高いシステムを構築して故障が発生しないようにする考え方です。

3. フォールトトレランス

フォールトトレランスとは、ハードウェアやソフトウェアの一部に障害が発生しても、あらかじめ定められた状態を維持する能力です。 対障害性を意味し、システムに異常をきたしても正しく動作し続けるように信頼性を高めた設計です。 システムの一部に障害が発生しても、システム全体は動作できるように、システムを構成する重要部品を多重化します。

4. フェールセーフ

フェールセーフとは、英語でfail safeといい、 システムの一部が故障しても、危険が生じないような構造や仕組みを導入する設計のこといいます。 機械やシステムが壊れたり、故障したりしても機械やシステムの振る舞いが人間に害を及ぼさないように(設計・作成)します。

たとえば、異常動作の信号を検知したときは、自動的に停止するなど、コンピュータシステムに障害が発生したとき、被害を最小限に食い止めて安全を保つ機能で、あらかじめ設定した、より安全な状態の方へシステムをダウンさせる対策をとります。 このようにフェールセーフは、故障や誤動作が発生した場合、その被害を最低限に抑え、ほかの正常な部分に影響が及ばぬよう、あらかじめ定められた安全側に働くようにして危機を回避し、全体として安全を保つようにします。

5. フェールソフト

フェールソフトとは、故障が発生したときに故障個所を切り離し、性能が低下してもシステムの稼働を維持するという考え方です。 装置の一部が故障しても、システムの全面的なサービス停止にならないようにすることをいいます。

異常が発生したとき故障や誤動作をする箇所を切り離して、システムを全面的に停止せずに、 機能は低下してもシステムが稼働し続けられるようにします。

代表的な方法に、システムの重要な箇所を2重化しておいて、故障が発生しても、もう一方の系で運用を続ける方式があります。

6. フールプルーフ

入力画面で数値を入力すべきところに誤って英字を入力したらエラーメッセージが表示され、再入力を求められる、 このような工夫をしておく設計思想を表す用語をフールプルーフといいます。

フールプルーフとは、不特定多数の使用者がいるプログラムにおいて、意図しない使われ方をしても故障しないような工夫をすることです。

フールプルーフの方針の例

フールプルーフの方針でプログラム設計を行う場合、以下のような方針になります。

〔方針〕
 不特定多数の人が使用するプログラムには、自分だけが使用するプログラムに比べて、より多く、データチェックの機能を組み込む。 プログラムが処理できるデータの前提条件を文書に書いておくだけでなく、プログラムについても前提条件を満たしていないデータが入力されたときは、 エラーメッセージを表示して再入力を促すようなものとする。

信頼性設計に関連したIPA情報処理試験の過去問題

以下では信頼性設計に関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。

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