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イノベーション―シュンペーターの創造的破壊、イノベーションの事例など。

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イノベーションは、画期的なビジネスモデルの創出や技術革新などの意味で用いられることがある用語です。以下ではイノベーションとは何か、シュンペーターの想像的破壊の考え方、イノベーションの事例、イノベーションのジレンマなどについて解説していきます。

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目次

この記事の目次です。

1. イノベーションとは

2. シュンペーターの想像的破壊

3. イノベーションの事例

4. イノベーションのジレンマ

イノベーションに関連したIPA情報処理試験の過去問

もっと知識を広げるための参考

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1. イノベーションとは

イノベーションは、画期的なビジネスモデルの創出や技術革新などの意味で用いられることがある用語です。

以下ではイノベーションとは何か、シュンペーターの想像的破壊の考え方、イノベーションの事例を見ていきます。

シュンペーターのイノベーションの定義

著名な経済学者シュンペーターのイノベーションの定義が有名です。シュンペーターは以下の5つのフェーズを包括してイノベーションとよびました。

  1. 新製品の算出
  2. 新生産手段の導入
  3. 新市場の開拓
  4. 原材料・半製品の新しい獲得源
  5. 新しい組織の達成

2. シュンペーターの想像的破壊

イノベーションに関わる用語として、創造的破壊という用語もシュンペーターによって提唱されました。

創造的破壊は、資本主義における経済発展そのものであり、これが起こる背景は基本的には外部環境の変化ではなく、企業内部のイノベーションであるとしました。 持続的な経済発展のためには絶えず新たなイノベーションで創造的破壊を行うことが重要であるとシュンペーターは説きました。

3. イノベーションの事例

イノベーションの事例として、楽天のアジャイルによる組織改革の事例(出所『アジャイル開発とスクラム』平鍋健児、野中郁次郎、翔泳社)について考えてみます。

楽天のアジャイルによる組織改革の事例

『アジャイル開発とスクラム』(平鍋健児、野中郁次郎、翔泳社)という書籍に楽天のアジャイルによる組織改革についてまとめられています。

事例をまとめますと、背景として、①インターネットサービスの開発の世界について触れ、アジャイル開発へ挑戦します。 まず、②継続的インテグレーションの導入により、スピードを支えた開発環境とテストを実現します。 そして、③アジャイル開発の展開とスクラムの導入、Infoseekニュースプロジェクトへの適用、開発からサービス企画へ、そして全社への浸透を目指していきます。

事例考察①:イノベーションを促すアントプレナー

シュンペーターによると革新を起こす行為をイノベーションとよび、革新をもたらす経営者をアントプレナーとよびました。 イノベーションを起こすには、事例のような挑戦を促すアントプレナーの存在が必要ということになります。

事例考察②:プロセスイノベーション

プロセスイノベーションとは、イノベーションのうち、生産技術面のイノベーションのことで、業務の過程・工程をこれまでの延長上にはない革新的、画期的な仕組みに改めることをいいます。 つまり、既存のものを新しい方法で生産することをいいます。

プロセスイノベーションの成果としては、製品の品質が向上が挙げられます。

たとえば、「製品の品質を向上する革新的な製造工程を開発する」がプロセスイノベーションの例となります。 事例では、継続的インテグレーションの導入というプロセスイノベーションが行われています。

事例考察③:イノベーションの本質

『経営学への招待』(坂下昭宣、白桃書房)という書籍の「第5章 企業や組織文化」のところで「意味の共有」についてまとめられています。 組織や集団を管理する入門知識として、「意味の共有化」を理解しておく必要があります。

「意味の共有化」は「見える化」に近い考え方ですが、例えば、百聞は一見にしかずということばがありますが、デバック&テストやプロトタイプ開発など、成果物を見たり、見せた方が情報量が多くうまく行くことが多いです。 ウォータフォールモデルのV字開発が破綻していると言われるのもこの辺りにあると言われています。

『イノベーションの本質』(野中郁次郎、勝見明、日経BP)という本では、「イノベーションの本質」を人と組織の観点からとらえています。 「意味の共有化」をナレッジマネージメントとして「暗黙知→形式知→暗黙知→・・・」とぐるぐるまわるSEKIモデルとして体系化されています。 このモデルの応用として、スクラムという手法が構築されています。

継続インテグレーションだけでは、プロセスイノベーションは実現せず、スクラムという人や組織管理する考え方や手法があって、アジャイル開発というイノベーションを実現していく事例と考えます。 継続的にしかも全社への展開というところから、まさに想像的破壊の事例ではないかと思います。 イノベーションの本質として、継続的という考えと、人や組織のマネージメントが必要ということではないかと思います。

4. イノベーションのジレンマ

優良な大企業が、革新的な技術の追求よりも、既存技術の向上でシェアを確保することに注力してしまい、 結果的に市場でのシェアの確保に失敗する現象をイノベーションのジレンマといいます。

イノベーションに関連したIPA情報処理試験の過去問

以下ではイノベーションに関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。

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