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コンピュータの利用に関して刑事罰に該当する不法行為は刑法で処罰されます。ウイルス作成や保管は罪に問われるかなど、不正指令電磁的記録に関する罪中心に刑法についてまとめています。
この記事の目次です。
刑法に関連したIPA情報処理試験の過去問
もっと知識を広げるための参考
更新履歴
刑法は、犯罪に関する総則規定および個別の犯罪の成立要件やこれに対する刑罰を定めた法律です。 コンピュータの利用に関して刑事罰に該当する不法行為は刑法で処罰されます。
企業のWebサイトに接続してWebページを改ざんし、 システムの使用目的に反する動作をさせて業務を妨害する行為は刑法で処罰されます。
コンピュータウイルスを作成する行為や、記憶媒体を介して企業で使用されているコンピュータにマルウェアを侵入させ、 そのコンピュータの記憶内容を消去した者は刑法で処罰されます。
情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成23年法律第74号)が平成23年6月24日に公布され、改正法により、刑法に新たに「不正指令電磁的記録に関する罪」が設けられ、同年7月14日に施行されました。 この法律により、コンピュータ・ウイルスの作成、提供、供用、取得、保管行為が罰せられることになりました。
刑法には、コンピュータや電磁的記録を対象としたIT関連の行為を規制する条項があり、 以下の行為は、不正指令電磁的記録に関する罪に抵触する可能性があります。
ウイルス作成・提供罪とは、正当な理由がないのに、その使用者の意図とは無関係に勝手に実行されるようにする目的で、コンピュータ・ウイルスやコンピュータ・ウイルスのプログラム(ソースコード)を作成、提供する行為をいいます。 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられます。
ウイルスの取得・保管罪とは、正当な理由がないのに、その使用者の意図とは無関係に勝手に実行されるようにする目的で、コンピュータ・ウイルスやコンピュータ・ウイルスのソースコードを取得、保管する行為をいいます。 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が課せられます。
以下では刑法に関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。
ITパスポートの過去問です。
刑法には、コンピュータや電磁的記録を対象としたIT関連の行為を規制する条項がある。 次の不適切な行為のうち、不正指令電磁的記録に関する罪に抵触する可能性があるものはどれか。
【ア】会社がライセンス購入したソフトウェアパッケージを、無断で個人所有のPCにインストールした。
【イ】キャンペーンに応募した人の個人情報を、応募者に無断で他の目的に使用した。
【ウ】正当な理由なく、他人のコンピュータの誤動作を引き起こすウイルスを収集し、自宅のPCに保管した。
【エ】他人のコンピュータにネットワーク経由でアクセスするためのIDとパスワードを、本人に無断で第三者に教えた。
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問24
答え 【ウ】
刑法には、コンピュータや電磁的記録を対象としたIT関連の行為を規制する条項があり、 以下の行為は、不正指令電磁的記録に関する罪に抵触する可能性があります。
このようにコンピュータウイルスを作成する行為や、記憶媒体を介して企業で使用されているコンピュータにマルウェアを侵入させ、 そのコンピュータの記憶内容を消去した者は刑法で処罰されます。
また、企業のWebサイトに接続してWebページを改ざんし、 システムの使用目的に反する動作をさせて業務を妨害する行為は刑法で処罰されます。
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