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バランススコアカードとは―4つの視点とKPIの目標例を解説。

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バランススコアカードとは、 略してBSC(Balanced Scorecard)といわれ、企業業績を定量的な財務業績のみでなく多面的に定義し、 それらをバランスよくマネジメントしようとする経営管理手法です。

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目次

この記事の目次です。

1. バランススコアカードとは

2. バランスコアカードの4つの視点

3. バランススコアカードのKPIの目標例

4. CSF(Critical Success Factor:重要成功要因)

5. まとめ

バランススコアカードに関連したIPA情報処理試験の過去問

もっと知識を広げるための参考

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1. バランスコアカードとは

バランススコアカードとは、 略してBSC(Balanced Scorecard)といわれ、企業業績を定量的な財務業績のみでなく多面的に定義し、 それらをバランスよくマネジメントしようとする経営管理手法です。

BSCの概要

BSCは、企業のビジョンや戦略を実現するために、“財務”、“顧客”、“業務プロセス”、“学習と成長”の四つの視点から、 具体的に目標を設定して成果を評価する手法です。

将来なりたいビジョンに向かって戦略を立て、 その戦略目標、重要成功要因、KPI、数値、アクションプランを策定します。 財務に加え、顧客、内部ビジネスプロセス、 学習と成長の四つの視点に基づいて戦略策定や業績評価を行います。

BSCの歴史

BSCは、1990年代初頭に米国ハーバード・ビジネススクールのロバート・S・カプラン教授と 経営コンサルタントのデビッド・P・ノートンの両氏により開発され, 1990年代に米国、欧州、アジアの主要企業へと浸透し、1990年ころに、日本でも導入する企業が相次ぎました。 日本企業の場合は、すでに運用されている予算管理制度や目標管理制度と連動させつつ、戦略目標の関連性に注目しながら、 「成果+プロセス評価」をより明確に再構築する例が多くみられました。

2. バランスコアカードの4つの視点

バランススコアカードでは、企業業績を①財務業績の視点に加えて、②顧客の視点、③内部プロセスの視点、④従業員のスキル・学習面の視点といった4つの視点で幅広く定義します。 そして、それらのバランスを保ちながら、企業の財務業績を中長期的に実現します。

バランスコアカードの4つの視点で戦略目標を立てる

経営戦略や事業戦略など戦略は、選択と集中を見極め、経営者だけでなくその企業に属するすべての従業員が、進むべき方向性を一致させて実行しなければなりません。 そのためには戦略を見える化し、共有することが必要になります。そのヒントになるのがバランススコアカードになります。

バランススコアカード=スコアカード+戦略ツリー

バランススコアカードとは、4つ(以上)の視点のもとに、バランスのとれた業績管理を行うスコアカードと、戦略を共有するための戦略ツリーからなる経営管理システムととらえることができます。

スコアカードは、財務と非財務の指標、短期と長期の指標、株主や顧客という外部的視点の指標と、社内プロセスや組織、従業員の成長の内部的視点の指標から構成されます。 また、戦略ツリーは、収益の向上などの最終的な成果を因果関係のツリー構造のイメージでまとめます。 因果関係の構成要素としては、財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点という4つの視点から戦略目標をわかりやすい現場の言葉に置き換えて、管理対象と因果関係のある数字(因果係数)で表現します。

戦略を見える化し共有していく

上述のスコアカードと戦略ツリーを使い、経営者が設定したビジョンと戦略ツリーをもとにして、4つの視点ごとに戦略目標を立てます。 その目標に対して、達成度を数字で測定し、目標値を定めて具体的な策を決めます。 そして、全体の戦略ツリーをもとにして、戦略がぶれないように整合性を取りながら、事業部や部門に展開し浸透させて行くことで、戦略を見える化し、共有していきます。

3. バランススコアカードのKPIの目標例

まずはKPIなどの用語説明を行ってから、バランススコアカードのKPIの目標例について見ていきます。

KPIとは

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標と訳される業績評価指標です。 KGI(Key Goal Indicator)という目標達成のゴールに到達する過程における重要な管理対象を指標化したものです。 つまりKGIを効率的に達成するために必要な業績評価指標がKPIになります。

バランススコアカードの4つの視点とKPI

バランススコアカードのKPIは、財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点の4つがあります。 書籍によっては業務プロセスの視点は内部ビジネスプロセスの視点ともいわれます。 また学習と成長の視点とは、社員の意識や能力開発、ナレッジマネジメントなどが含まれます。

バランススコアカードのKPIの目標例

では、バランススコアカートの4つの視点におけるバランススコアカードのKPIの目標例を見ていきます。

財務の視点のKPIの目標例

バランススコアカートの財務の視点のKPIの目標例は以下になります。 例えば、受注金額は、財務の視点におけるKPIになります。

顧客の視点のKPIの目標例

バランススコアカートの顧客の視点のKPIの目標例は以下になります。 例えば顧客満足度は顧客の視点におけるKPIになります。

業務の視点のKPIの目標例

バランススコアカートの業務の視点のKPIの目標例は以下になります。 例えば、顧客提案数は、業務プロセスの視点におけるKPIになります。

学習と成長の視点のKPIの目標例

バランススコアカートの学習と成長の視点のKPIの目標例は以下になります。 例えば、社内要員の能力開発は、学習と成長の視点におけるKPIになります。

4. CSF(Critical Success Factor:重要成功要因)

バランススコアカードを用いて戦略立案する際、策定した戦略目標ごとに、その実現のためにCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)を明確化します。

5. まとめ

バランススコアカードとは、企業業績を定量的な財務業績のみでなく多面的に定義し、それらをバランスよくマネジメントしようとする経営管理手法のことをいいます。

バランススコアカードのポイントをまとめてみました。

バランススコアカードに関連したIPA情報処理試験の過去問

以下ではバランススコアカードに関連したIPA情報処理試験の過去問とその解説をまとめています。

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